プラモデルとは

プラモデルとは、組み立て式の模型の一種。適度に分割して成形されたプラスチック製の部品群と、組み立て説明書などをセットにしたキットの形で販売される。

「プラモデル」は初めて国産のプラモデルを発売したとされるマルサン商店が考案した登録商標であり、一般的な名称はプラスチックモデルキットプラモと呼ばれることもある。英語ではプラスチック・モデル (Plastic Model) またはコンストラクションキット (Construction Kit:主にイギリス英語)などと呼称される。

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商標としてのプラモデル

プラモデルという商標は、「プラスチック製模型おもちゃ及びその組立キットその他のおもちゃ、人形」(第555762号、1960年 9月登録)、「新聞、雑誌、その他の定期刊行物」(第731152号、1967年1月登録)および「模型」(第1846016号、1986年2月登録)に 関して日本プラモデル工業協同組合が権利を所有し、組合員は自由に使用できる。他にキヤノン株式会社が別のものを対象にプラモデルという商標を持っていた時期がある。

プラモデルという名称は、マルサンが1959年(昭和34年)に商標登録したもので、他のメーカーは「プラ模型」「プラキット」など言い方を変えるか、一般名称である「プラスチックモデル」を用いる必要があった[2]。ただし、一般消費者や小売店のレベルでは、マルサン商店が権利を所有していた時期から、プラモデルはプラスチックモデル全般を表す用語として広く使用されていた。

商標権は1968年(昭和43年)の倒産後再建されたマルサンから1974年(昭和49年)に大手問屋の三ツ星商店に売却され、1975年(昭和50年)日本プラスチックモデル工業協同組合に移譲された[3]。現在は各社自由に使ってかまわないことになっており、一般化している[4]。メーカーではバンダイとアオシマが自社製品のキャッチコピーに使用していた。

内容物

基本的には、ランナーと呼ばれる枠に繋がった状態の部品組み立て説明書である。その他にも接着剤、マーキング用のデカール、組み立てる際に必要となるもの(ネジ止めが必要なプラモデルには簡易ドライバーなど)が付属する場合もある。これらが商品のイラストや完成写真等を印刷したボール紙の箱に箱詰めされ、出荷されている。小型のものについてはブリスターパックやビニール袋に入れて売られている場合もある。

組み立て説明書は、インスト(インストラクション)とも呼ばれる。組み立て手順以外に塗装する場合の色指定や塗装図、模型に関する情報などが併記されていることも多い。ソリッドモデルやライトプレーンの説明書が図面中心で設計図とも呼ばれていた名残で、設計図と呼称されることもある。また小型のプラモデルでは組み立て説明書が箱の裏面等に印刷されている場合もある。

接着剤は、1980年代頃まではほとんどのキットに小型のチューブや平行四辺形のパックに入ったものが付属していたが[5]、近年では組立てに必要な場合でも付属しないことが多い。スナップフィット・キットと呼ばれる、接着剤を使用せずに組み立てられるプラモデルも増えている。

デカールは、スライドマークとも呼ばれる水転写(スライド)方式のものが付属することが多いが、ガンプラ等の初心者向けの製品ではシールやドライデカール(インスタントレタリング)が付属する場合もある。

動力装置の有無による分類

動力装置を取り付けないことを前提とするプラモデルをディスプレイキット(またはディスプレイモデル)という。完成品を展示(ディスプレイ)することを目的とすることからこう呼ばれる。

組み立てる際に付属もしくは別売の駆動装置を取り付け、走行・駆動させることを目的としたプラモデルもある。電動のモーターを取り付け、乾電池などを動力源として駆動するものをモーターライズキットモーターライズモデル)という。またゼンマイで駆動するプラモデルもある。

製法による分類

インジェクションキット(射出成形キット)
金型の 中に熱で溶けたプラスチックを高圧で流し込んで成形されたキット。大量生産に向き、パーツの精度も高い。製造には精密な金型と、大掛かりな射出成形の設備 が必要となるためにイニシャルコストが高いのが難点。製法上、パーツに金型の合わせ目であるパーティングラインが生じる欠点もある。樹脂の通り道であるラ ンナーがあるのが射出成形品の特徴である。ランナーと部品を結ぶゲートはピンゲートにすることで小さくなるが、樹脂の通り道が小さくなるため、生産性が犠 牲となる。金型は定期的に整備を続ければ長持ちし、事実40年以上生産され続けているキットもある。一般的なインジェクションキットの他、樹脂や軽合金を 型に使った「簡易インジェクションキット」という物もあり、これは型の寿命が短い代わりにコストを下げることができるため、マニア向けの少数生産キット製 造の手段として用いられることが多い。通常のインジェクションキットより部品の精度が劣る物が多いが、一部のチェコ製合金型のものは通常のインジェクショ ンキットに迫る出来の物もある。
バキュームフォームキット(真空成形キット)
熱でやわらかくしたシート状のプラスチックを、型に押し付けて成形したキット。通称「モナカ」。単純に押し付ける手法をヒートプレスと呼び、プラ スチックシートと型の間の空気を吸い出して密着させる手法をバキュームフォームと呼ぶ。(例:卵の透明プラスチックケース)型が1枚で済むので少ない設備 投資で成形できるが、大量生産にはあまり向かない。比較的、流線型の成形に向くこともあり、マイナーな航空機がこのバキュームキットで販売される傾向にあ るほか、RCカーのポリカーボネート製ボディはほぼこの製法を用いる。成型品はかなり肉厚が薄くなるため補強が必要であるなど製作難易度は高い。また細部 など真空成形の困難な部品はインジェクションやレジン、メタル、エッチング等のパーツが組み合わされる場合が多い。バキュームフォームキットはガレージキットとして扱われることが多いが、インジェクションキットの中に簡易ジオラマベースや帆船の帆、簡易インジェクションキットのキャノピーパーツなどの形で真空成形パーツが含まれる場合もある。
押出成形
熱で溶けたプラスチックをダイと呼ばれるノズルからトコロテンのように押し出して成形する。断面の形が同じものを無限に成形できる。プラモデルのキットが押出成形されることはまずありえないが、各種プラ素材がこの成形方法である。
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